境界層

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なにがちがうんでしょう。

仕事が忙しいとなぜか書きたくなる「多少は役に立つかもしれないミリタリー知識」。

なにがちがうんでーしょーか。マスタングと飛燕。

なにがちがうんでーしょーか。マスタングと飛燕。

添付した写真は、P-51。こちらはアメリカの液冷エンジンの機体、事実上WW2の最優秀戦闘機です。そして日本の三式戦闘機「飛燕」。日本機らしからぬ液冷エンジンのとがった鼻っ面のかっこよさで浅いマニアに人気があります(深いマニアは鍾馗をめでるのだ。)。

単発単座、低翼単葉。液冷エンジン装備。見た目も非常によく似ています。が、ひとつだけ「きわめて大きな構造上の違い」があります。これは日米に技術力を顕著に表している、非常に興味深い違いなのですが・・・いったいどこがちがうのでしょう?

それが今回のテーマです。

ちょっとマニアックすぎるかも。でもまあ、役に立たないんだからいいよね。

 

境界層

今日のテーマは「境界層」です。

飛行機は空を飛びます。なぜ飛べるかというとパイロットの意地でも乗客の祈りでもなく(このネタどっかで書いたな)空気があるから飛ぶわけです。空気も粘性があります。空気の粘性は飛行機の機体に「粘りつき」、機体を後ろに引っ張りながら流れていきます。その抵抗でねばる空気は流速を落とします、この遅い空気の流れを「境界層」と呼びます。つまり、機体のすれすれ(速度によりますが亜音速で7cm程度)の空気は、ゆっくりと流れているのです。

さて画像左上のP-51マスタング。機体腹下にあるラジエターは20cm程度主翼下面から離して設置されており、開口部は境界層から突き出した位置にあります。都合よく、境界層の外の速くかつ主翼で圧縮された空気を取り込むことで、極めて効果的にエンジンを冷やします(液冷ですからラジエターは大事)。

ところが飛燕はラジエターは主翼下面に張り付いており、でかい開口部が境界層の遅い空気に浸かっています。実はこの開口部は機体にめり込んでおり、見た目以上に大きな抵抗を発生させています。しかも冷えない。飛燕だけに。

 

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意外にも皆、境界層対策。

みんな、スキマがある。飛燕だけない。

みんな、スキマがある。飛燕だけない。

同じような材料で同じような労力で同じような戦闘機を作っていながら、この「境界層対策」の差で方やWW2最優秀戦闘機、方や(ご指摘があったように)稼働率の低い戦闘機、となってしまいました(もちろんラジエターだけが原因ではありませんが)。そして現代の戦闘機。F-4ファントムも、F-16ファルコンも見事に境界層を意識したエアインテイクを持っています。

究極のマシンはその形状に必ず理由があります。テクノロジーが戦闘機の形を決める、一つの事例をご紹介しました。

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