ミサイル防衛。

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弾道ミサイルからの防衛。

ここでいう「ミサイル」とは主に大陸間弾道ミサイルを指します。

テポドン2号改

テポドン2号改

  • 最も身近な弾道ミサイル、テポドン2号改。

 

大陸間弾道ミサイルは、いったん打ち上げられると宇宙(最高高度500km)まで飛び、そして大陸を超えて敵国の上空へ再突入するものです。テポドン2号の場合、そのロケットモーターの燃焼時間は130秒と言われています。一般的な弾道ミサイルは発射から着弾までおよそ5分。そしてその再突入時の速度は毎秒6~7km。つまりMach20という想像を絶する速度です。

ちなみにジャンボジェットの速度はMach0.8程度。
日本の航空自衛隊の戦闘機、F-15の最高速度がMach2.5。
そのF-15が放つミサイルの最高速度がMach4。

文字通り桁違いの速度です。

 

ミサイル防衛

では、日本に置けるミサイル防衛の状況を見てみましょう。防衛省のサイトより、図をお借りします。

Ballistic Missile Defence

Ballistic Missile Defence

 

BMD、というキーワードが使用されています。これはミサイル防衛(Ballistic Missile Defence)を指す用語です。見ての通り、ミサイルは

  1. ブースト段階(ロケットが燃焼し、加速している段階)
  2. ミッドコース段階(弾道飛行により大気圏外(つまり宇宙)を飛翔している段階)
  3. ターミナル段階(再突入し最大速度Mach20で着弾するまでの段階)

という3つのフェーズを経て、目標(つまり、かの国から見れば日本)に着弾します。先にも書いた通り、ここまでの猶予時間は「長くて」5分です。

そして、日本はこの弾道ミサイルを

  • ミッドコース段階
  • ターミナル段階

で迎撃することを想定しています。

 

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ミッドコース段階

ミッドコース段階での迎撃を担当するのは、イージス艦です。

イージス艦こんごう

イージス艦こんごう

  • こんごう。防衛省のサイトからお借りしています。

最終的に「こんごう」型イージス艦を4隻「あたご」型イージス艦を2隻整備し、ミッドコースの迎撃に当たります。先日のミサイル発射の際も、これらイージス艦に対して破壊措置が通達され、それぞれ出撃しています。

日本のイージスシステムの性能はかなり高いといわれています。米軍とも積極的な共同実験を行っており、すでに複数目標の探知と迎撃に成功しているという情報もあります。しかし、その撃墜率は何%なのか、複数弾頭とは何発なのか、一度に迎撃可能な数は何発なのか、など詳細な情報は明らかにされていません。

いかに「こんごう」といえどミッドコースの弾道ミサイルを100%落とすことは難しいでしょう・・・

 

ターミナル段階。

間違いなく、何発かはターミナル段階へ入るはずです。それを迎え撃つのは「パトリオットPAC-3」。

パトリオットPAC-3

パトリオットPAC-3

  • の、ゆるきゃら、ぱっくさん。「スリー」が「さん」なんだってやっと気づいた。

現時点でターミナルフェーズに入った弾頭を迎撃できるのはコレだけです。しかしMach20の弾頭を制圧するのは極めて困難であり、その半数必中界(目標の半数を撃墜できる射程)は2~3km前後。そしてその装備基数は数百機のみと言われています。

日本全土はいうに及ばず、重要拠点のみを防御するのがいっぱいいっぱいという実情です。

 

誰がどうやって守るのか。

そして一番の問題はその対応時間です。

防衛省のサイトから、またお借りしましょう。

Q4.弾道ミサイルなどへの対処の流れは、どうなっていますか。

A4. 防衛大臣は、事前の兆候などに基づき弾道ミサイルなどがわが国に飛来するおそれがあると判断されるものの、それが武力攻撃に当たると認められない場合には、
 内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し、弾道ミサイルなどがわが国に向けて飛来したときには破壊措置をとるよう命ずることができます。また、上記の場合の
 ほか、わが国に弾道ミサイルなどが飛来するおそれがあるとまでは認められないものの、事故や誤射が生じたときなどのように、 事態が急変し、防衛大臣が内閣総理大臣の
 承認を得る時間もなく弾道ミサイルなどが飛来してくることも想定されます。
 そのため、防衛大臣は、このような場合に備えて、平素から緊急対処要領を作成して内閣総理大臣の承認を得ることとしています。そして一定の期間を定めた上で、
 この緊急対処要領に従い、改めて内閣総理大臣への承認を得ることなく、あらかじめ自衛隊の部隊に対し、 実際に弾道ミサイルなどがわが国に向けて飛来したときに
 破壊措置をとるよう命ずることができます。

すなわち、

  • 弾道ミサイルが飛来する恐れを事前に検出していれば、内閣総理大臣は破壊措置命令を出せる。
  • 緊急事態には、あらかじめ要されたマニュアルに従い防衛大臣指示で破壊措置命令を出せる。

という事です。

しかし、先に書いた通りロケットモーターが点火されてから着弾までわずか5分です。いわゆる「ホット」でないイージス艦、パトリオットPAC3が有効に迎撃を行うことはやはり、きわめて困難であるといわざるを得ません。

これは決して自衛隊に問題があるということを指していません。それくらい、弾道ミサイルの迎撃は困難なのです。最も効果的な攻撃方法は、「ブースト段階」以前に叩くことだといわれています。そう、発射される前です。

湾岸戦争において、イギリス軍は精鋭であるSAS(Special Air Service)を敵地に潜入させスカッド発射機を探し通報、空軍と連動していわゆる「スカッド狩り」を行いました。それが一番確実であり、そして必要な処置だったのです。

BMDシステムはアメリカとの共同開発が必須です。

 

それでもまだ実験段階であり、費用対効果を疑問視する声は絶えることはありません。

 

安心してください、だと?

 いま、尖閣の問題とか、北朝鮮のミサイル問題とか、不安じゃないですか。
 でも、そういったものには、自衛隊がしっかりと対処します。 自衛官は命をかけて国民をしっかり守ります。
 そこは、安心してください。

ネットで話題になっている、ある元自衛官の言葉、だそうです。そして彼は「集団的自衛権」の反対論を展開します。

個人が何を主張しようとそれは自由です。しかし。

なぜ、今この状況でどうして「そこは、安心してください」などと、言えるのでしょう。何を持って「しっかり守ります」と言えるのでしょう。

答えは一つではありません。しかし、今現在、「安心できる状況にない」ことだけは、事実です。

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2 Responses to “ミサイル防衛。”

  1. 丸山 より:

    ペリオットとイージス艦の撃墜ミサイルの命中率は共に95%以上です。相手のミサイルがいくら速くとも準備には時間がかかるので衛星で探知して撃墜体制に入るのでそうそう日本まで飛んで来ることはないと思いますが、ミサイルが飛んで来ないに越したことはないですね

    • yakumili より:

      丸山様 コメントありがとうございます。
      空自のパトリオット部隊がヤキマ?で好成績を収めた逸話はネットで拝見しました。が、一番の問題は日本の国土の広さであり、パトリオット配備数の少なさです。迎撃ポイントに「落ちてこなければ」、その命中率も生かせないのですから。状況は極めてシビヤーです、都心だけを守ればよいというものではないでしょう、通常弾頭による相互破壊しか、そのバランスを保てないのかもしれません。

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