誰もGAOレポートを読んでいないのである!F-35欠陥機説の元ネタGAO-18-321を読み解く

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国民民主党の原口議員も、GAOレポートを読めと勧めるのである

こんなツイートが一部の軍事クラスタで話題となりました。国民民主党の原口議員が、航空自衛隊のF-35墜落事故についてツイートしたものです。

原口議員は以前、Google Earthによる軍事機密漏洩の可能性を指摘するほど「軍事通」で名高い方ですので、恐らく(略

さて、実際にGAOレポートには、なにが書いてあるのでしょう?

GAOレポートには、F-35が欠陥機だと書いてあるらしい

今だに話題が絶えない航空自衛隊のF-35墜落事故。2019年4月7日に発生したこの事故において、航空自衛隊は残念ながら優秀なパイロットを1名、そして虎の子の新鋭機F-35を1機失いました。この事件が巷で話題になるときに出てくるキーワードが「F-35欠陥機説」。

その根拠はGAOレポートに記載されている、

・966件の欠陥
・11件の致命的な欠陥

が指摘されているとのこと。でも、不思議なことが。

誰もGAOレポートを読んでいないのである!

だれもGAOレポートの具体的な内容を話さないのです!そもそのGAOて何よ?なんでGAOがF-35の欠陥を指摘するの?

そのあたりを抑えないと、ただでさえややこしい話がどんどんこじれるので解説してみましょう。そして問題のGAOレポート、GAO-18-321についても可能な限り(私の英語力の限り)解説を試みます。

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GAOとは

GAO。Government Accountability Office。日本語に訳せばアメリカ会計検査院となります。

GAOは、アメリカ合衆国独立した非党派機関です。 納税者の税金がどのように使われるかを徹底的に調べ、レポートします。アメリカ政府が税金を正しく効率的に活用しているかをチェックする機構であり、極めて強力かつ大きな権限を持つ組織でもあります。GAOのサイトによれば、

  • 2017年度の財務上の利益は739億ドルで、GAOの活動に対し1ドル投資するごとに、に約128ドルの節約効果があった

とのことでございます。単に税金の無駄遣いを指摘するだけではなく、

  • 連邦資金が効率的かつ効果的に費やされているかどうかを判断するための監査機関業務
  • 違法行為や不適切な行為の申し立てを調査
  • 政府のプログラムと政策が目標をどの程度達成しているかについて報告
  • 政策分析を行い、議会の検討のためのオプションを概説する
  • 法的決定と意見を発行する
  • 政府をより効率的かつ効果的にする方法について、議会と執行機関の長に助言する

といった活動を行っております。

GAO-18-321はF-35についてどのようなことを書いているのか

GAO-18-321。サブタイトルは「Development Is Nearly Complete, but Deficiencies Found in Testing Need to Be Resolved [Reissued with Revisions」。訳すと

開発はほぼ完了しているが、テストで見つかった欠陥は解決する必要がある。

おお。欠陥だ!

アメリカ会計検査院はこのレポートを2018年6月5日にレポートしています。この時点でお気づき頂きたいのは実はこのレポートリリースされてからすでに1年以上が経過しておりすでに内容は古くなっている、ということです。

実際にこのレポートが発表されてからGAOはF-35関連のレポートを数書出しており、決してこれをもって水戸黄門の印籠のように騒げるシロモノではない、ということです。

さてGAOレポートは以下の4部で構成されています。

  • FAST FACTS(概要)
  • HIGHLIGHTS(重点部分)
  • RECOMMENDATIONS(提言)
  • レポート本文

さあ、頑張って読んでみましょう!

FAST FACTS(概要)

本文はこちら

DOD is getting closer to completing the F-35 program, but DOD’s plan to move into full-rate production without fixing key deficiencies brings into question the reliability and affordability of the aircraft.

DOD(アメリカ国防総省)のF-35プログラムは完成に近づいているが、主要な欠陥を修正せずにフルレート生産に移行するというDODの計画は、航空機の信頼性と適切な調達価格を達成するためには問題がある。

GAO-18-321 FAST FACTS 第一段落を抜粋-

全文を訳すといろいろ大人の事情があると思われますので、箇条書きで行きます。

  • F-35プログラムの完成に近づいている
  • 主要な欠陥を修正せずにフルレート生産に移行するという計画は航空機の信頼性と適切な調達価格を達成するためには問題がある
  • すでに2019年に98億ドルを要求しており、今後20年間でさらに年間約104億ドルを要求する予定
  • 議会は、費用見積もり、技術評価、その他の措置を講じるまで、F-35開発の次の段階から資金提供を差し控えることを検討すべき
  • さらにフルレート生産に移行する前に、DODが航空機の重大な欠陥を解決することを勧告する

つまり、

欠陥が解消されていない状態で計画を進めると信頼性と調達価格面で問題があるため、それらの欠陥が改善されるため計画を進めるべきでない、フルレート生産に入るべきではない、と勧告しているわけです。

あくまで「大量生産フェイズに入るべきではない」と勧告しているわけです。

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HIGHLIGHTS(重点部分)

本文はこちら

The Department of Defense (DOD) has made progress in completing the F-35 baseline development program, but plans to finish testing later than expected.

国防総省(DOD)はF-35ベースライン開発プログラムの終結処理を進めているが、テストの終了は遅延する見通し。

GAO-18-321 HIGHLIGHTSを抜粋-

例によって箇条書きで。

GAOの調査により判明した事実
  • 国防総省(DOD)はF-35ベースライン開発プログラムの終結処理を進めているが、テストの終了は遅延する見通し
  • 重大な欠陥のほどんどはベースライン開発プログラム中に解決される水戸尾地だが、いくつかの重大な欠陥については2019年10月のフルレート生産開始後まで解決を延期する予定
  • 関係者は、生産中にいくつかの欠陥を解決することが合理的であるとの見解を述べているが、政府に追加の費用をもたらす可能性がある
GAOがこの調査を行った理由
  • DODは米国の軍事史上最も高価で野心的な武器獲得プログラム(F-35)のためにフルレート生産に入るか否か決定する見通し
  • DODはすでに2019年に98億ドルを要求しており、今後20年間でさらに104億ドルを要求し続ける予定だが、これは膨大な総費用のなかの一つに過ぎない
  • 2015年度の国家防衛認可法に準じGAOはF-35に関する管理レポートと過去のテストデータをレビューし分析した
GAOの提言
  • 議会は、DODが健全なビジネスケースを提供するまで、F-35ブロック4に利用可能な資金がないこと、将来の利益処分で提供することを検討すべき
  • GAOは、フルレート生産の前にすべての重大な欠陥を解決することを含めて、DODに2つの勧告する
  • DODは両方の勧告に同意し、それがフルレート生産決定の前にすべての重大な欠陥を解決する

欠陥があることは認めたうえで、国防総省はフルレート生産前にそれらを解決する、と同意した・・・以下、執筆中・・・

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