河口湖自動車博物館・飛行機館

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河口湖自動車博物館・飛行機館。

その建物は、河口湖より車を20分ほど走らせたところにありました。

辺りは閑静な別荘地域。うっそうとした森林の一本道を地図を頼りにたどり、見つけた看板に沿って道をそれると駐車場が、そして・・・

屋根の上のマルヨン。

屋根の上のマルヨン。

ばーん。いきなりマルヨンの複座型(F-104DJ)が。

左を見ると

見上げるデカさのコマンドー。

見上げるデカさのコマンドー。

ばーん。カーチス C-46 コマンドー。で、でかいです。全幅32.91m、全長23.26m。ペイロードは実に兵士40名、貨物6,800kg!

とまあ、いきなりマニアックな世界が広がっています。

そう、ここは「河口湖自動車博物館」。自動車館と飛行機館を備えた、通称「原田コレクション」を収容した日本では有数の博物館です。その特色は開館期間、なんと1年で1ヵ月しか解放されていません。8月だけなのです。ですから、もしこの手の施設が大好きで夏休みに富士に訪れる方がいらっしゃいましたら、万難を排してお立ち寄りされることをお勧めいたします。

河口湖自動車博物館・飛行機館には多くの飛行機が収容されていますが、それらの多くはレストア機です。

フルオリジナルがあるべき姿なのか、引き揚げ時の破損はそのままとするのがあるべき姿なのか、フルレストアが正しいのか。それは議論が分かれるところではありますが、オーナーである原田氏の

  • 「本物には本物でしか伝わらない力がある」
  • 「戦争の悲惨さを伝えるためにも本物さながらの機体を展示することが重要」

の意思とそのご尽力には、言葉もありません。

 

格納庫の中は別世界。

わずか1,000円のチケットを購入し格納庫の入り口をくぐります。正面に鎮座するのはピカピカにレストアされた、零戦21型。零戦が最も活躍をした時期の型です。

零戦21型。

零戦21型。

翼端の折り畳み機構も見事に再現されています。

翼端折り畳み機構。

翼端折り畳み機構。

こんな細かいパーツで構成されてるんですね・・・

隣には52型。零戦で最も量産された型です。わずかではありますが21型と比較して出力を向上させ機体を強化、急降下速度を増しました。大戦末期に生産されたため悲しい話が多い型でもあります。

零戦52型。

零戦52型。

21型よりも長い銃身を持つ20mm機関銃(九九式二号二〇粍機銃)、及び単管型排気管(21型は集合型)が特徴。暗緑色の機体カラーが凄味を感じさせます。

そしてその後ろで現在レストア中の零戦・・・21型かな?折り畳み機構があることと、エンジンの排気管が集合されていることから21型と推察されます。リバースエンジニアリングにより構造を精密に再現しているとのフリップがありました。

レストア中の21型。

レストア中の21型。

ご覧になってお分かりの通りすぐ後ろに52型、そしてその奥に(完成している)21型が収容されています。かなりぎっちりと収容されていますから広角レンズが・・・と言いたいところですが、この博物館は一眼レフ等の本格的なカメラの持ち込みが禁止されています。携帯、スマホ程度であればOK(PADはNG)とのこと。

ちょっと前は三脚等の器材が禁止されていただけだったと記憶していますが、恐らくマニアとのトラブルがあったのでしょうね。詳細な写真は博物館が写真集やDVDで販売していますから、それを入手しましょう。いかに精密と言えどレストア機ですから、過剰なクローズアップ撮影は不要と思いますし。

そして零戦の周囲にはオリジナルのパーツ群が配置されています(天井からぶら下がってるのもあるけど)。

いわゆる「誉」エンジン。ここに展示されているものはハ45として陸軍に採用されたものであり(誉は海軍名称、同一設計)、疾風に搭載されていたものとのこと。

誉エンジン。設計は優秀だったが。

誉エンジン。設計は優秀だったが。

日本得意?の空冷星型複列18気筒。
ボア×ストロークは130mm × 150mmの圧縮比7.0、意外とロングストロークです。
排気量は35.8リッター、直径は1,180mm。
乾燥重量は830kg!
離昇出力として1,800HP/2,900RPMを誇ります。

が、その生産の難しさから性能低下を引き起こし(ホントですかね?紫電改や疾風部隊での発動機トラブル話はあまり目にしませんが)たというお話です。

こちらがアツタ・・・ではなくハ40。飛燕に搭載された液冷エンジンです。

やっぱりアツタという噂も。

やっぱりアツタという噂も。

液冷倒立V型12気筒。ボア×ストロークは150mm×160mmと若干スクエアに近いようです。排気量は33.9リッター。全長と1,948mmと巨大です。重量は640kg。このナリで離昇出力1175hp/2500rpmは、やはりアンダーパワーな印象を受けます。

そしてある意味本博物館の目玉、レストアされた一式陸攻。

見事にレストアされた一式陸攻を機首から。手向けられた花が見える。

見事にレストアされた一式陸攻を機首から。手向けられた花が見える。

同、胴体。日の丸の中央にハッチがある。

同、胴体。日の丸の中央にハッチがある。

巨大さがお分かりになりますでしょうか?美しい葉巻型の機体は全長20m。2発のエンジンにより当時の爆撃機としては長大な航続距離を誇ります。

一式陸攻のサイドビュー。

一式陸攻のサイドビュー。

  • 美しい胴体が特徴的な一式陸攻のサイドビュー。写真はウィキペディアよりお借りしました。

搭乗員は7名。武装は、次のいずれか。

  • 60kg爆弾12発
  • 250kg爆弾4発
  • 500kg爆弾1発
  • 800kg爆弾1発
  • 800kg魚雷1発
  • 桜花1機。

 

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ロケット特殊攻撃機、桜花。

こちらには保管されていませんが、ご存知の通り桜花は一人乗りのロケット特殊攻撃機。すなわち「特攻機」です。

終戦後アメリカ軍兵士に接収される桜花

終戦後アメリカ軍兵士に接収される桜花

 

 

展示されている一式の胴体の前部銃座と思しき箇所には小さな花が添えてありました。

この巨大な胴体、設計、製造するだけでどれだけのエネルギーを要したことでしょう。搭乗員の7名を生み、育てるにはどれだけの愛情と苦労があったことでしょう。もちろん、桜花の若き搭乗員の命を育むためにも。

日本海軍機の例にもれず、戦争終盤はこの一式陸攻も悲惨な運命をたどります。一部強化された防弾設備はあったもののやはり防御力が弱く、その消耗率は激しいものであったと伺います。

野中五郎大佐(戦死による二階級特進)。第721航空隊、通称「神雷部隊」指揮官。

野中五郎氏

野中五郎氏

  • 野中五郎氏。写真はウィキペディアよりお借りしました。

神雷部隊は桜花を吊るして出撃地点まで運ぶ陸攻隊です。桜花はロケット機でありその噴射時間はわずか9秒。極端に短い滑空距離を補うために、この巨大な攻撃機の腹に桜花を吊るし、アメリカ海軍機動部隊の目前まで運んでいかなければなりません。

一式陸攻から投下される桜花。

一式陸攻から投下される桜花。

  • 一式陸攻より投下される桜花。もちろん搭乗員に生還する余地はない。写真はウィキペディアよりお借りしました。

勇猛果敢な野中氏ではありましたが、桜花の運用が困難であることを知るとこうつぶやいたと伝えられています。

「この槍、使い難し。」

おれは桜花作戦を司令部に断念させたい。もちろん自分は必死攻撃を恐れるものではないが、攻撃機を敵まで到達させることができないことが明瞭な戦法を肯定するのは嫌だ。

クソの役にも立たない自殺行為に、多数の部下を道づれにすることは耐えられない。

司令部では桜花を投下したら陸攻は速やかに帰り、再び出撃せよ、と言っているが、今日まで起居をともにした部下が肉弾となって敵艦に突入するのを見ながら自分たちだけが帰れると思うか。

そんなことは出来ない、桜花投下と同時に自分も目標に体当たりする。

野中氏はその愛息に以下の手紙(遺書と呼んでも差支えないでしょう)を残しています。

 ボー マイニチ オトナチク チテルカ オバアチャマ ヤ
 オジチャマ ガ ヰラッチャルカラ ウレチイダロウ
 オタンヂャウビ ニワ ミンナニ カワイガラレテ ヨカッタネ

 オメデタウ オメデタウ

 オトウサマハ マイニチ アブー ニノッテ ハタライテイル
 ボー ガ オトナチクチテ ミンナニ カワイガラレテヰルトキイテ
 ウレチイ

 モウチョロチョロ アルカナケレバイケナイ ハヤクアルキナチャイ

 オカアチャマノ イフコトヲヨクキイテ ウント エイヨウヲ トッテ
 ヂョウブナ ヨイコドモニナラナクテハイケナイ チュキ キライノ
 ナイヨウニ ナンデモオイチイオイチイッテタベナチャイ

 デワ チャヨナラ

                  オトウチャマヨリ ボーへ

 

1945年3月21日。18機の一式陸攻(「桜花」は15機搭載)を率い、野中氏は第一神風特別攻撃隊神雷部隊の指揮官として出撃、そして攻撃地点のはるか手前でレーダーによるF6Fヘルキャットの待ち伏せを受け、全機全滅します。

そう、1機の桜花を投下することもなく。

満34歳没という若さでした。

 


 

筆者は、レストアされた一式の胴体、そして手向けられた花を見て身動きができませんでした。

本博物館のオーナー原田氏の

「戦争の悲惨さを伝えるためにも本物さながらの機体を展示することが重要」

は、確かに何をも圧倒する説得力を示すことを体感しました。

少々駄文が長くなりました。このような事業が、国家事業ではなく一個人で進められている事実と合わせ、ぜひ、一度足を運ばれることをお勧め致します。

 

河口湖自動車博物館・飛行機館

ぜひ、ご自身の目でご覧になることをお勧め致します。

河口湖自動車博物館・飛行機館

http://www.car-airmuseum.com/

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