リニューアルしたかかみがはら航空宇宙科学博物館に組み立てられた飛燕を見に行こう!その1

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かかみがはら航空宇宙科学博物館、リニューアル完了!

2018年3月24日。待ちに待った、かがみがはら航空宇宙科学博物館(長いな)のリニューアルオープンを迎えました。

そう、私が以前、工事中を知らずに訪れてそしてバラバラ状態の飛燕を愛でることができたあの「かがみがはら航空宇宙科学博物館」。ついに工事が完了し、全館オープン!

ということで、行ってきました!徹底レポート致します!(注:まだ書きかけですスミマセン・・・

かかみがはら航空宇宙科学博物館。

かがみがはら航空宇宙科学博物館の入り口看板

航空自衛隊の飛行開発実験団が籍を置く岐阜基地に隣接する航空博物館です。ですので、当日もT-4やF-4が博物館上空を飛び去る姿を目にすることができます。

1996年に開館し、岐阜県と各務原市の共同事業で3年半をかけて全面リニューアル。愛称「空宙博」(そらはく)としてリニューアルオープンしました。展示面積は階層前の1.7倍、9,400平方メートル。実に東京ドームの1/5(・・・あれ、あまりすごく感じない失敗した)。

  • 野外展示:US-1を初めとする、とてもじゃないが室内に展示できない中型・大型機が並ぶ「野外展示エリア」
  • 1階メインフロア:STOL実験機「飛鳥」やT‐2練習機など、30機を超す実機が年代ごとにずらりと並ぶ「航空エリア」
  • 2階:NASAのアポロ計画やスペースシャトル、日本のH‐IIロケットなど宇宙開発の歴史をさまざまな展示物で紹介する「宇宙エリア」
  • カフェテラス・売店

となっております。

車で行くなら東海北陸自動車道岐阜各務原インターチェンジから約7キロメートルとまあ、比較的訪れやすいところにあります。

着目すべきはその立地、岐阜基地や川崎重工に近いだけあって、実験機やモックアップなどの珍しい機体を目にすることができること。千葉県成田の航空博物館、静岡県浜松のエアパークと合わせて日本3大航空博物館(私が決めた)の一角を担うとても素敵な博物館でございます。

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野外展示。

なんとも申しますかのどかな所に所在するこの「かがみがはら航空宇宙科学博物館」、とにかく敷地は広いです。駐車場も広い、ついでに空も広い。当日は幸いにもよいお天気。

かがみがはら航空宇宙科学博物館、駐車場から建物を見る。

駐車場から入り口を見ますと空をイメージしたブルーの建物、そして巨大な飛行艇US-1の機影が。平日にも関わらず、なかなかの賑わいでございました。

門をくぐると滑走路をイメージした野外通路、そして大型機が。

手前から(写真には入っていませんが)

  • V-107A双発輸送ヘリコプター(バートル)
  • YS-11
  • US-1
  • P2-J

が鎮座しております。

バートルとYS-11はすっ飛ばして(失礼)、撮影してきた写真をご紹介いたします。

新明和US-1

新明和US-1、全景

US-1。

新明和工業が開発、海上自衛隊が使用した飛行艇。コールサインはIVORY(アイボリー)。

初飛行は原型機であるPS-Xが1967年10月24日。軸出力3,500馬力を叩き出すT64-IHI-10Jターボプロップエンジンを4発搭載し、最高速度は490km/h、航続距離は4,000kmを越える優秀な機体です。水上機、つまり飛行艇ではありますがランディングギアにより地上の滑走路への離着陸も可能。

さてその優秀なUS-1ですが特徴的な装備がこちら、波消し装置。

・・・この角度から見ると、思いっきり船ですね・・・。機首を取り囲むように薄い板がぐるっと装着してあることがわかります。これが「薄板式波消し装置」。

飛行艇はもちろん水上から離水・着水しますが、その際に機首から水しぶきがすさまじい勢いで発生、これが原因で機体や翼、エンジンを破損させてしまいます。このため悪天候で波が高い海面状態では当然離着水ができません。

ところがこの「薄板式波消し装置」があると、機首が生み出した水しぶきは「薄板」と「機首」の隙間で吸収され、劇的に水しぶきを減らすことができました。あとでご紹介するX1Gにより確立されたこの技術により、US-1は当時の他のどんな飛行艇よりも悪条件における離着水が可能であったわけです。

US-1エンジン。石川島播磨重工業 T64-IHI-10Jターボプロップ。

その出力からするときわめてコンパクト(とはいえ、十分でかい)な石川島播磨重工業 T64-IHI-10Jターボプロップエンジン(これがあれば我が旧日本海軍も・・・)。ターボプロップですので中にはピストン&クランクではなく、タービンが入ってます。ですからまるで液冷エンジンのように長いナセルで覆われています。左下に見えるのが排気口、タービンエンジンらしく男らしい1本排気管(?)。

US-1、ノーズギア。

ノーズギア。前述のとおり滑走路への着陸も可能だった、とのことですが全長33.5mの巨大な機体を支えるにはかなり華奢かつコンパクト。おそらくパイロットさんは「そっと」機首を下ろしたことでしょう。

US-1、メインギア。

対して、結構立派なおみ足のメインギア。ここがこう、いったん広がってからググッと回って格納されるわけですね。ロマンだ・・・。

US-1、特徴的なT尾翼。

そして特徴的なT型尾翼。おそらくこれも水しぶき対策なのでは、と思います。ちなみに機体左側後部には・・・

お分かりになりますでしょうか、胴体ハッチの後ろから日の丸下部を通って尾部までワイヤーが張られております。あれ、これなんだろと注意書きを見ますと。

US-1の珍しい装備、命綱。

そう、命綱が張り巡らせてあるのでした。これも飛行艇ならではですね。

そして機体の最後尾にはこんなものが。

US-1、係留フック。

係留用のフック。やっぱり船だコイツ。

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川崎重工P-2J

P-2J、全景。

ベースはロッキードP2V-7ネプチューン対潜哨戒機。ネプチューンはレシプロエンジン搭載機でしたがこれをT64-IHI-10Eターボプロップエンジンに換装しております。またその外側にJ3-IHI-7Cを補助ジェットエンジンとして搭載しており、エンジンはすべてタービンながらもプロペラとジェットの2種類のエンジンを搭載したハイブリッド機でございます。

機体スペースが狭くかつTACCO(戦術航空士)席を増設したため居住性は悪かったものの機体の安全性は極めて高く、退役までのべ61万時間を飛行しながら無事故でその任を終えました。

P-2J、プロペラとジェットエンジンそろい踏み。

このように主翼には内側にターボプロップのプロペラ、そして外側にはジェットエンジンが搭載されているという珍しい構造。

P-2J、プロペラ回転面の警告ライン。

ですから胴体にはプロペラ回転面を示す、DANGERの文字も迫力の警戒ラインがありますし、

P-2J、補助エンジンポッド。

補助エンジンポッドにはジェットインテークに書かれるこれまたDANGERなインテイク警戒線が描かれています。ちなみにこのエンジンポッドは離陸後に切り離し・・・たりはしません。ハイ。

おなかの下には対潜哨戒機ならではの装備、洋上索敵レーダーがあります。

P-2J、洋上索敵レーダー。

Xバンドレーダー、AN/APS-80・・・のナセル。前半部は「塗装するな」、後半部は「再塗装するな」というこだわりの?コーションレターが興味深いです。時代なのか各部のコーションレターはほぼ日本語でして、

P-2J、注意書き。

超えてはならぬのだ、とか。これまた興味深いところではあります。

ちなみにこのP-2Jは

  • Mk44ホーミング魚雷×4
  • 150kg対潜爆弾×16
  • 127mmロケット弾×8

を装備できます。主翼下にはハードポイントが用意されております。

P-2J、ハードポイント。

機外に用意されたタラップからコックピットをのぞき見る。

P-2J、操縦席。

うーん、確かにタイトな操縦席です。ここで長時間の紹介任務をこなすことは、大変なご苦労であったでしょう。

屋外展示機はこんな感じです。

1階メインフロア、ウェルカムホール。

入り口にたどり着くまでに十分博物館気分を満喫できちゃうのですが、いやいやこれからが本番。早速ブルーもまぶしい展示室に入りましょう。まずはウェルカムホールから。

乙式一型偵察機(サルムソン2A-2)

乙1型偵察機

この博物館のある各務ヶ原で初めて量産された機体とのこと。大正11年から昭和2年までに各務原で300機が製作、1000機以上がライセンス生産れた大正期の陸軍機を代表する傑作機ですって。ワタシ知りませんでした・・・。退役後も多くの機体が民間に払い下げられ、昭和12年ごろまで飛んでいた、とのこと。

	  乙式一型偵察機[サルムソン2A-2]、エンジンヘッド。

エンジンヘッド。なんとバルブスプリングがむき出し。凄い。

そして機体の陰にあるトンネルを潜ると。

三式戦闘機二型「飛燕」試作17号機

三式戦闘機二型「飛燕」試作17号機

組み上げられた姿でおりました「三式戦闘機二型「飛燕」試作17号機」。ちなみに前回訪れたときは、各パーツに分割された状態でございました。こんな感じ。

分解された飛燕。

組み上げられた状態で見ますと、やはり日本機らしからぬその流麗なデザインが目を引きます。これぞ液冷エンジン搭載機。

開発メーカーである川崎重工の手でレストアされたものです。

この機体、番号6117号機は完動状態で終戦時にアメリカ軍に接収されて、その後しばらく横田基地で敷地内展示されていたため当時の比較的保管状態は良好でしたが、その後あちらこちらのイベントに引っ張りまわされテキトーな扱いを受けます。

おかげで機体は破損し、何度も何度も塗りなおされて大変残念な状態であったとのこと。それを川崎重工が塗装をはく離し完全分解し今回のレストアに至ります。恐らく丁寧にレストアされたのでしょう、スポットライトで照らされた機体は確かに「戦闘機」でした。

難しいもので、たとえば飛行状態(フライアブルといいます)を目指せば目指すほど、その機体はオリジナルからかけ離れていきます。

戦後50年を超えた現在でも「飛行可能な戦闘機」、いわゆるウォーバードは存在しますがそれらは機体の大部分(ほとんどすべて)を新造してあり、計器や無線といった儀装品はもとより強度確保の目的でもはや原形をとどめていません。これは安全を確保するためにはやむをえないことではありますが、およそ「レストア」と呼べるものではなくなります。

かといって「フライアブル」を目指さない復元機もなかなか難しく、細部はやはり原型を留めない復元をなされているものが極めて多いのが現状です。その点、各務ヶ原の飛燕はその経緯から比較的多くの部分が現存しており、そのレストア度は非常に高い稀有な存在といえます。

大多数の「復元機」が、「飛行機であったもの」を無残に「飛行機のような何か」へ変えられてしまっている現状があります。・・・もうこれ以上「飛行機のようななにか」は見たくないのですよ。それが残骸であろうとも。そのまま保管して頂きたいなあ、と思うしだいでございます。

だってそれは歴史遺産、なのですから。

さて主翼を見ましょう。

飛燕主翼にもねじり下げがある?

胴体に組みつけられているため「ねじり下げ」を見て取ることができます。ん?資料によれはねじり下げ角は1.5度とのことなので、目の錯覚かな?

飛燕、機首下部。

本当につるんつるんの機首下部、艦載機並みに幅の広い主脚、そして20mm機銃。左側だけにあるランディングライト。

さて、細かいところをいくつか。

これは尾翼のトリムタブです。どういう動きをするんでしょう、私は存じ上げませんが2種類のタブがあるように見えます。コメントで指摘して頂けると嬉しいです。尾翼本体は金属、稼動部は布張り。日本機の伝統的構成ですね。

飛燕、キャノピー。

単純なようで意外と複雑な面構成の飛燕の風防。

第一風防は下部で絞り込んでおり第二風防へのラインをあわせています。第二風防は第三風防に重なるように開きますから、段差はそのまんま。

大きい第二風防下部の隙間も、プラモデルではぜひ再現したいところですね。飛燕はこんな感じです。で、ふと上を見上げると・・・?

十二試艦上戦闘機(零戦試作初号機)

十二試艦上戦闘機(零戦試作初号機

零戦の初号機(この言い方、昔からありましたっけ?エヴァの影響??)である、十二試艦上戦闘機の実物大模型が天井から吊り下げられております。

十二試艦上戦闘機。

零戦の仕様は「昭和十一年度 航空機種及性能標準」の艦上戦闘機の項に基づいて決定されました。それをさらに具体化した「十二試艦上戦闘機計画要求書」により、要求仕様が定められます。

  1. 用途:掩護戦闘機として敵軽戦闘機より優秀な空戦性能を備え、要撃戦闘機として敵の攻撃機を捕捉撃滅しうるもの
  2. 最大速力:高度4000mで270ノット以上
  3. 上昇力:高度3000mまで3分30秒以内
  4. 航続力:正規状態、公称馬力で1.2乃至1.5時間(高度3000m)/過荷重状態、落下増槽をつけて高度3000mを公称馬力で1.5時間乃至2.0時間、巡航速力で6時間以上
  5. 離陸滑走距離:風速12m/秒で70m以下
  6. 着陸速度:58ノット以下
  7. 滑走降下率:3.5m/秒乃至4m/秒
  8. 空戦性能:九六式二号艦戦一型に劣らぬこと
  9. 銃装:20mm機銃2挺、7.7mm機銃2挺、九八式射爆照準器
  10. 爆装:60kg爆弾又は30kg2発
  11. 無線機:九六式空一号無線電話機、ク式三号無線帰投装置
  12. その他の装置:酸素吸入装置、消火装置など
  13. 引き起こし強度:荷重倍数7、安全率1.8

この仕様に基づき1939年3月16日A6M1試作一号機完成、同4月1日に陸軍各務原飛行場で初飛行。それを再現したのがこの実物大模型、十二試艦上戦闘機。

正式採用/量産された零戦11型と異なり、

  • エンジンが瑞星13型(量産型は栄)
  • プロペラが2翔(量産型は3翔)
  • 着艦フックの未装備(量産型は装備)

などの違いが見られます。

十二試艦上戦闘機、着艦フックなし。

ね、フックがありません。

零戦52型甲

これは「あいち航空ミュージアム」にある零戦52型甲。プロペラの数が違いますし、エンジンカウルの形状も異なります(まあ、コイツはカウル形状がそもそもオリジナルと異なるんですが)。

2階にある休憩席から、サイドビューを。

資料の少ない初号機を見事に再現してあります。特徴的な瑞星を収めた細身のエンジンカウルが、むき出しのスピンナが見慣れたはずの零戦を一風変わった姿に変えてくれています。

恐らくFRPなどで構成されていると思われますがすばらしい拘りを持って作られているであろうことは言うまでもありません。

さて、このフロアにはほかにはこんなものが。

三菱重工業 ハ42-21ル

ハ42-21ル(ハ214ル)

雷電に搭載された火星エンジンを14→18気筒化した、三菱製2000馬力クラスエンジン。4発爆撃機である「キ67 四式重爆撃機 飛龍」に搭載されたエンジンであり、ターボチャージャーと水メタノール噴射装置を備えた最終モデル。

大型すぎるという理由で海軍での採用は見送られましたが(誉がありましたし)、離昇出力2,300馬力はなかなかの数値。もちろん稼働率を考えれば額面どおりには受け取ることはできませんが・・・

ハ42-21ル(ハ214ル)のターボタービン

ハッタリでなく、ターボタービンが。見えませんが奥にも装着されておりいわゆる二丁掛け。

実物大計器版

展示機である飛燕、零戦の計器版(復元)があります。

こちらが飛燕の計器版。

飛燕計器版

こちらが零戦。陸軍海軍の違いなのかメーカーの違いなのか。零戦のほうが視認性は高いような気が致します。

零戦の計器版

ね、そんな気しません?

さて、ではいよいよメインホールへ。・・・といいたいところですがかなり長くなりましたので本ページはいったんクローズ、その2へ続きます!

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