ある島のハナシ。

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あるところに小さな島がありました。

とある南北に長い土地を持つ国がありました。

その国の近くには小さな島がありました。複数の島々からなるその島には、産業はおろか観光資源もなく、住民もほとんどいない島でした。

headland

その島、そしてA国とB国。

その島は、島国であるA国が実行支配しています。

しかし実効支配とは名ばかりであり、実際には有効な防衛策を取っておらず駐留する軍も無に等しい、軍事的には空白地帯と呼んでも差し支えない状況でした。

その島を挟んで相対するB国。B国もその島の領有権を主張しており、A国、B国の間でその島は大きな外交的懸念事項でした。

最初は領土問題として。そして、海洋資源問題として。

お互いがお互いに、その島を自分の領土だと主張します。

B国は内政が不安定になると、民衆の不満をそらすためにその島の領有権を強く内外に喧伝します。それはA国の不満を募らせ、日に日にその島をめぐる情勢は悪化していきました。

 

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それは民間人の上陸から始まった。

突如、B国は民間人をその島に上陸させます。

上陸したB国民間人はB国国旗を掲揚し国家を斉唱、その島に居座る行動をとります。

もともとB国はその島を「自国の領土」としているわけですから、この決断はB国で熱狂的な評価を得て、政権の支持率を大きく向上させました。B国は「自国領土の民間人を保護するため」に、軍を派遣します。

A国は、上陸したB国民間人の強制退去を決定。軍事力の派遣を決定しかつ、アメリカの支持を受けるべく政治工作に乗り出します。

こうしてその島をめぐる戦いは始まりました。

単なる軍事的な交戦だけではなく、状況は複雑化しました。B国は上陸させた自国民に現地統治および参政権を与え、「非軍事による支配」を国際世論にアピールしようとします。また、B国は先手を打って大規模な軍隊を常駐させ、その優位性を持ってA国の出兵を諦めさせて、無血占領によって国際世論を味方につけようとします。

事実、西側諸国はおおむね実効支配をしていたA国を支持しましたが、一部の島の近辺の国家はB国を支持しました。

序戦こそ有利に戦闘を進めていたB国ですが、先進国であるA国の国家を面子を掛けた攻撃にしだいに押されます。およそ3ヶ月の戦闘を経て、ついには「戦闘終結宣言」を出します。B国の主席はその数日後、失脚しました。

 

全く挑発のないところでの侵略行為。

これが、フォークランド紛争のあらましです。

フォークランド戦争でその名をはせた、シーハリアー FRS.1。

フォークランド戦争でその名をはせた、シーハリアー FRS.1。

イギリスの、いやサッチャーの執念とも言える意思決定によりフォークランド諸島の奪還に成功しました。

防衛省の国防研究所のレポート「フォークランド戦争史」によれば、アルゼンチンの攻撃はイギリスにとって「自らの領土が、全く挑発のないところでの侵略行為によって侵されようとしている事実」であったと記載されています。

そして、アルゼンチンによる侵攻の真意は、不安な政治情勢に対するスケープゴートであったとされます。一国の内政不安が、開戦の理由となった事例があるのです。

サッチャーは、1956年のスエズ紛争の失敗において以下の教訓を得ていたといいます。

  1. 我々は決然としていない限り、そして、終結させる自信がない時には軍事作戦を行ってはならない。
  2. イギリスの国益に影響を及ぼす主要な国際的危機において、二度とアメリカをイギリスの反対側に回
    してはならない。
  3. 我々は、我々の行動が国際法に則っているか確認しなくてはならない。
  4. 躊躇する者は敗北する。

そして、戦後に実施された査問委員会においてサッチャーは「アルゼンチンの侵攻を許した」ことを問われましたが、

  • 侵攻を予測することは不可能であった
  • 仮に事前策を取ったとしてもアルゼンチンの侵攻を抑止できたかどうか疑問である

として、その罪は不問とされました。

 

戦争は予測できない状態で始まる。それは軍事力によるものとは限らない。

想定外という言葉は軽々しく口に出してはならない。

東日本大震災における原子力発電所事故に関連して、多くのマスコミ、知識人、一般人が口にした言葉です。

きわめて重い言葉です。リスクマネジメントの根幹にかかわる、重い言葉です。それは、自然災害においてのみ有効な言葉ではありません。

昨今を問わず、多くの戦争・局地戦は「奇襲」から始まっています。そして、その「奇襲」は、フォークランド戦争がそうであったように「軍事活動」とは限りません。

日本には、2012年6月以降、毎月欠かさず某国の「民間船」による「領海侵入」を許している島があります。なお、民間船による領海侵入は国連海洋法条約による「無害通航権」により、即違法行為とはなりません。

海上保安庁サイトよりお借りしました。

海上保安庁サイトよりお借りしました。http://www.kaiho.mlit.go.jp/mission/senkaku/senkaku.html

  • この民間船が、某諸島沖で遭難したら。
  • 遭難した船から脱出した乗組員が、「避難を目的」として某諸島に上陸したら。
  • 「上陸した乗組員の保護を目的」として、軍が出動してきたら。

まだ、始まっていないのでしょうか。それとも、すでに始まっているのでしょうか。

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