ロックオン

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ロックオン。

それは事実上の攻撃開始に他なりません。

2016年6月28日、インターネットのニュースサイトにおいて、「東シナ海上空で中国軍の戦闘機が航空自衛隊の戦闘機に対しロックオンを行い、空自機が離脱した」とのショッキングな記事が発表されました。

ロックオン。日常でもたまに耳にする言葉ですが(君のハートをロックオン、とか)、本来の意味として目に付いたのは久しぶりでした。これ、いったいどんな意味のあるアクションなのでしょう?

何らかの武器で敵を攻撃する際は

  • 敵を見つけて
  • 照準装置をそちらに向けて
  • 敵をロックオンして
  • 速やかに射撃する

段取りを踏みます。

 

すでに「始まっている」。

つまり、ロックオンした(された)ということは事実上の攻撃開始です。

「まともな戦場で」「まともな交戦状態であれば」ロックされた瞬間、ロックされた側はなんらかの回避行動(チャフ・フレアの展開、回避機動)に入りますしロックした側は回避される前に「撃ちます」。

すなわち、「ロックオン」は相手をぶん殴るためにぶん殴れる距離に近づき狙いを定めてこぶしを振り上げる動作に他ならず、次に来るのは打撃そのものです。威嚇やポーズとして行うにはあまりに危険な動作です。なにも起きなかったのは・・・いや、推論で語るのは避けましょう。恐らく関係者が己の命を掛けて、賢明だったのです。

さて、「ロックオン」とは実際にどのような作業なのでしょう?ここでは空中における戦闘機の対戦闘機戦闘を題材とします。

戦闘機vs戦闘機の空中戦闘は極めて短時間かつ高速に行われることは以前書いたとおりです。互いに相手の顔が見える距離で力の限りGに逆らって巴戦を・・・という時代はすでに遠く、今や視界の外での電子戦が勝敗を決します。

 

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電子戦。

電子戦。

戦闘機は強力なレーダーを持っています(もしくはさらに強力なレーダーを持つ早期警戒管制機の力を借りる)。レーダーは空中を電波で満たし、前方の空間をスイープします。その強度は「広大な空間を丸ごと電子レンジ化する」と言われ、海外の小説を読むと「渡り鳥がフライになるような」という表現を目にするようなシロモノです。

レーダーはドップラー効果により敵機反射波を識別し、跳ね返ってくるレーダーの周波数が高ければ接近中、低ければ離脱中といった判断を行い

  1. どんな大きさの敵機が
  2. どこを
  3. どの方向に
  4. どんな速度で

移動しているかを判別します。この情報はミサイルに送り込まれ、そのデータを元に中距離ミサイルは敵機を追尾します。ちなみに中距離ミサイルの射撃コールは「FOX2」です。短距離ミサイルやガンはFOX3。FOX4は体当たり・・・

さて、ドップラー効果を使用している・・・ということは、敵機が見かけ上自機に対して近づくか、遠ざかるかしないと周波数の変化が起きないことを示します。山や建築物等は「自機に対して移動していない」ですから、この反射ははアビオニクス(戦闘機の搭載計算設備)は無視するようになります。

あれ?

ここで気づいた方はかなり鋭い。自機を中心に円を描くように飛ぶ敵機は、見かけ上の距離が変わらないから「ドップラー効果は発生しない」のでは?

そうなんです。これを「ビーム機動」と呼び、ベトナム戦争当時程度までは実に有効な戦術でした。敵捜索レーダーの反射波を検出したら、その方向に対して90度の角度で飛ぶとレーダーを誤魔化せたのです。極めて単純な戦術ですが、レーダーの構造の根本に関わるテクニックですから対抗は困難でした。

 

最新鋭の電子戦。

現代の戦闘機(F-35)は、味方機のレーダー情報を統合し、立体的に(三角測量)敵機をあぶりだすことが可能となりました。どこかの誰かの発信波をどこかの誰かが受信して、それを立体的に解析するのです、これによりビーム機動は事実上無効化されました。

誰かのレーダーを借り、攻撃する。これを、

「クラウド・シューティング」

と呼びます。こんなところでも、クラウドブームが来ているのですね。

余談:防衛省が2010年に発表した戦闘機将来構想のタイトルは

「アイ・ファイター構想」
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/08/25a_02.pdf

です。むー、なんともはや。

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