ステルス

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ステルス。

知ってる必要の無いミリタリー知識、今日はステルスです。

航空支配戦闘機、F-22。

航空支配戦闘機、F-22。

 

言葉だけは思いっきり認知されました。たぶん、これくらい認知され、そして誤解されている用語はないでしょう。

  • 「見えない戦闘機」
  • 「レーダーに映らない」

レーダーは強力なレーダー波を空中に向けて発信、敵機に当たって跳ね返ってきた反射波を検出する技術です。そしてステルス機は敵のレーダー波を吸収する・とんでもない方向へ受け流すなどして「自機からの反射波を殺し」、敵のレーダーを騙くらかす技術です。

さて以前、「ロックオン」について書きました。

「ロックオン」とは敵を攻撃する直前、自機からロックオンレーダーを「発信し」、敵に反射させその反射波を捕らえて「ロックオン」します。そして「ロックオン」された側はロックオン警戒機によりそれを瞬時に探知してしまいます。

 

透明人間は目が見えない

現代戦ほとんどの兵器は目標をロックオンしない限り、発射できません。ガンですら、ロックオンしてから撃ちます。否、ロックオンせずにファンネルモードで撃つこともできまして、まあこれはこれで興味深いのですがまた別の機会に。

攻撃段階においてはいかなる戦闘機と言えど、「ロックオンレーダーを発信しないとならず」「その瞬間に敵機に自らを探知されてしまう」のです。

あれ、じゃあステルス機も攻撃の瞬間、敵に探知されてしまうってこと?

そう、いかに敵のレーダーを騙していても、自らロックオンレーダーを発信した時点でその努力は台無しになります。史上最強と言われるF-22ステルス戦闘機も、アムラームミサイルを発射する瞬間、「ステルスではなくなります」。

たとえるならば、せっかく隠密行動でお城に忍び込んだ忍者がいよいよ暗殺を行う直前に「懐中電灯をつけるようなモノ」です。見つかっちゃいますよね。

え、ステルスってそんなものなの?攻撃の直前に見つかっちゃうんなら「見えない戦闘機」じゃないじゃん!

いえいえ。ステルスの「凄さ」はこんなものではありません。そのからくりはいかに。

 

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早期警戒管制機

結論から言えば、ステルス機はまったく自機からレーダー波を出さずに攻撃を完了させることができます。

現代戦においてすべての兵器は高度にシステム化され、統合されています。もちろんテクノロジの権化とも言うべきステルス機も同じです。ステルス機と組み合わせて使用されるのが早期警戒管制機(airborne warning and control system、以降AWACS)です。背中に円盤をしょった特徴的な構造、見たことがあると思います。

AWACSは空の管制塔。

AWACSは空の管制塔。

 

このAWACSは空の管制塔です、もちろん優れた性能を誇ります。

同時に数百の味方機を管制(位置、高度、方位を管理し指示を出すことができる)し、それ以上の敵機・目標を識別することができます。また自機を1万mの高度へ配置することで地上レーダーとは比べ物にならない探知距離を維持します(レーダー波は水平線の向こうを探知できないのです)。

このAWACSが、安全な前線はるか後方を飛行しながら敵機を探知・ロックオンし、前線の味方ステルス機に指示を出します。

 

システムとしてのステルス。

ステルス機は自機に搭載されたレーダーを「封印したまま」AWACSの指示に従い飛行するだけで敵機の後方に回り込みミサイルを発射することができます。

さらにAWACSはそのミサイルも誘導することができます。中距離ミサイルは通常発射母機のレーダーを借りて中間誘導されます(終端誘導はミサイル自身が行う)が、この中間誘導もAWACSが行うことができるのです。敵機は自分がAWACSに補足されたことは気づきますがAWACSはあまりに遠方にいるために何もすることはできません。

文字通り隠れることすらできないのです。気づいたときには忍び寄られたステルス機により暗殺されている、というわけです。

前回のたとえで言えば、AWACSは強力なサーチライトで遠方からお城を照らし、無線で忍者を誘導するようなものです。忍者が自らはまったく光も音も出さず、暗殺を成立させることができます。忍者(ステルス機)はAWACSと組み合わせることで真価を発揮することがお分かり頂けると思います。

 

本気を出せば?

さて。

この素敵なAWACSお値段も素敵です、1機500億円。そして兵器の常として1機では成立しません、最低3機(作戦行動、待機、整備)必要です。日本は4機を有しています。

開発にはそれ以上のコストと時間が掛かり、日本単独ではかなり難しいでしょう。これを成し遂げられる国はアメリカとロシアだけです。日本は現時点ではアメリカ製のAWACSを購入するしか手はありません。

「日本も本気出せば一流のステルス機を作れる。」

マニアがよく言う言葉です。しかし、ステルス機を作るということはそれを支えるAWACSを含むシステムを構築することです。本当にそれができるのでしょうか。

 

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2 Responses to “ステルス”

  1. kn より:

    そういや、F19とかいう、謎の機体がまことしやかに騙られてプラモデルまで出た事があったっけ。
    日本でステルス実証機を試作するとか隔世の感があるなぁ。当時は中国で滞空監視して野戦電話で通信されたら、案外見つかるんじゃないかっていう冗談?があったけど、中国がステルス機を自慢する世界になったからなぁ。

    形状的なステルスにカナードは無いと思うけど…中華ステルスって評価どうなんでしょうか?

    • yakumili より:

      F-19、ありました!たしかイタレリのキットでしたね。私は1/48も1/72も両方買って作りました。その後写真が公開されてガックリでした・・・

      中国のステルスに関して、記事にあるとおりそれを支援する管制システムの実力が未知数であるため、戦力としての評価はまだ誰もできないと思います。

      ただ、とある技術者の方がおっしゃっていた「彼らはアレを形にし、飛ばした。この事実のみでも、決して侮ることはできない」が回答となるのではと思います。

      これからもよろしくお願いいたします。

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